僕が秋田犬を迎えたのは、正直なところ少しの勇気とたくさんの不安が入り混じった春の日でした。
育て方なんてわからない。大型犬の経験もない。けれど、あのもふもふの子犬と目が合った瞬間に、すべての「できない理由」は消えてしまったんです。
この日は、そんな出会いから1ヶ月ほど経った頃の、春のある日曜日。
まだ生後3ヶ月の秋田犬は、ふわふわの毛並みで、歩くたびに後ろ足がふらつくような可愛らしさ。じゃじゃ馬になる前の、あどけない姿でした。

ほんのりと香る桜の匂い。ひらひらと舞い落ちる花びら。
ふと見上げれば、空の青と桜の薄桃色が重なって、まるで絵本の中にいるような気分になりました。
それを横で、きょとんとした顔で見上げてくる秋田犬。まだ“家族になった”という実感を、僕もこの子も持てていなかったかもしれません。
それでもこのときの空気が、僕たちにとっての「はじまり」だった気がします。
「これから、どうなるんだろうね」
桜の下でそうつぶやいた僕に、秋田犬は尻尾をふりながら振り返ってくれました。
この道は、春になるといつも桜が満開になります。
そしてこの写真は、毎年の春がくるたびに、僕のスマホの中からひょっこりと顔を出してくれます。
あの日の小さな秋田犬は、今では立派に育って、時に“じゃじゃ馬”と呼ばれるほどになりました。
だけど、あの日のやわらかい記憶は、ちゃんと僕の中に残っています。
「癒し」とは、誰かの“がんばり”に気づけたときに、ふと湧き上がってくるものなのかもしれません。
育て方も知らなかった僕にとって、この子は「答え」ではなく、ずっと「問い」のままです。

だけど──
その問いに向き合っていく日々そのものが、僕にとっては宝物なのです。
このブログ記事が、春を思い出すきっかけになれたなら嬉しいです。
今日も「愛犬の秋田犬と桜街道」。
そんなタイトルのままの、散歩の一ページでした。

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